項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 原発性胆汁性胆管炎に対する抗線維化治療薬の開発 | |
研究代表者名 | 木村公則 | |
研究代表者の所属機関名 | 東京都立駒込病院 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 原発性胆汁性胆管炎 | |
研究のフェーズ | 臨床試験 | |
研究概要 | PBCは、病因不明の自己免疫異常による慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患である。胆汁うっ滞に伴い肝実質細胞の破壊と小葉内胆管の消失を生じ、肝線維化、最終的には肝硬変から肝不全を呈する。黄疸期になると進行性であり、肝移植のみが唯一の治療となる。PBCの罹患患者数は国内で無症候性、症候性を合わせて約5-6万人と言われているが、PBCの治療薬として抗炎症作用を有するウルソデオキシコール酸,ベザフィブラートの有用性は認められるものの、未だPBCに伴う肝硬変に対する治療薬(抗線維化薬)は実用化されていない。肝硬変の進行は、蛋白質合成などの肝臓の様々な機能低下をもたらし、腹水や門脈圧亢進症等の合併症を誘発し予後不良の転帰をとることが多い。PRISM BioLabはWntシグナル伝達を阻害し、β-カテニンとCREB-binding protein(CBP)の蛋白相互作用を選択的に阻害できる低分子化合物、PRI-724(OP-724)を創製した。研究代表者らは2014年8月からヒトC型肝硬変患者に対するOP-724の安全性と忍容性を確認する医師主導治験(PhaseⅠ試験)を開始し、14例に治験薬を投与した。投与後の肝組織所見から、線維化の改善を認め、特に肝細胞周囲の細網線維の減少が顕著であった。現在肝硬変に対する抗線維化治療薬の開発は非常に競争の激しい分野の一つであり、欧米の製薬企業を中心に多数の臨床試験が実施されているが、現時点で有効性を確認できた治療薬はない。上記のOP-724の治験成果は、海外で高い評価を受けておりアメリカ肝臓学会(AASLD)から当肝硬変治験の取り組みに対して取材を受け、昨年はNatureの”liver cirrhosis”特集に取材記事が掲載された。本研究では初年度に実験的PBCモデルとして胆管結紮モデルを使用しOP-724の有効性を非臨床試験で検証し(2018年度)、OP-724の薬効薬理作用が確認できれば、PMDAとの薬事戦略相談、対面助言を経て、PBCに対するOP-724の安全性と忍容性を確認する医師主導治験(Phase I試験)を開始することを目標とする(2019年度)。本研究の成果によりPBCの線維化に対する有効な治療薬開発が実現すれば、肝硬変に伴う様々な合併症も改善され、肝不全への進行も予防出来、医療経済的にも貢献する事が期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;組織 | |
収集サンプル数 | 100 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
東京都立駒込病院 肝臓内科, 木村公則, kkimura●cick.jp |
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