項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ミオスタチン遺伝子のスプライシングをスイッチする2重作用型ミオスタチン阻害薬 | |
研究代表者名 | 松尾雅文 | |
研究代表者の所属機関名 | 神戸学院大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | デュシェンヌ型筋ジストロフィー | |
研究のフェーズ | シーズ探索研究 | |
研究概要 | デュシェンヌ(Duchenne)型筋ジストロフィー(DMD)は、小児期発生の男児3500人に1人が罹患する致死性の進行性の筋萎縮症である。DMD遺伝子の異常によりジストロフィンが欠損するために発症し、ジストロフィンの発現が根本治療となる。研究開発代表者はDMDでジストロフィンを発現させるエクソンスキッピング治療を世界で初めて提唱し、根本治療の確立に道を拓いた。さらに、独自に開発したエクソンスキッピングを誘導するアンチセンス核酸(ASO)を臨床治験にまで導いた。一方、DMD治療としてミオスタチン阻害による骨格筋量増加をはかる研究が世界的に活発である。ところが、いずれもDMD治療として臨床応用には到達していない。しかし、ミオスタチンの機能喪失が骨格筋量を増加させることは、MSTN遺伝子に異常を有したヒトが骨格筋量の増加を示すことから、明確な事実である。従って、ミオスタチン遺伝子異常に相当する作用を発揮する革新的なミオスタチン阻害法は、臨床応用可能なDMDの治療薬となることが十分に想定される。 申請者は、DMDに対するエクソンスキッピング治療の効果をさらに向上させるには、その作用現場となる患者の骨格筋量を増加させることが必要と強く認識した。そして、ミオスタチン阻害による筋肉増量法の開発に着手した。その結果、MSTNの遺伝子のスプライシングを阻止するアンチセンス核酸(ASO)薬を見いだし、特許申請した(特願2019-37915と特願2019-118446)。同時に、ヒトMSTN遺伝子のスプライシングバリアントを、世界で初めてクローニングすることに成功した。さらに、このバリアントにコードされたミオスタチンのアイソフォームがミオスタチン阻害作用を発揮するという驚くべき事実を見い出し、ミオスタチン阻害タンパクとして特許申請した(特願2019-37915と特願2019-118446)。これらの独自に得た研究結果から、ミオスタチン遺伝子のスプライシングをスイッチして正常のmRNAを減少させてバリアントmRNAを増加させ、よってミオスタチンタンパクの減少とミオスタチンアイソフォームによるミオスタチン阻害作用の増加をはかり、2つ方向からの阻害効果を一挙に発揮する革新的なミオスタチン阻害法を着想した。 本研究は、スプライシングのスイッチとなるアンチセンス核酸(ASO)の探索を行い、創出したASOをDMDモデルマウスに投与しその効果を実証するものである。その成果は、世界で初めてDMDの治療に効果のあるミオスタチン阻害薬の開発を導くものと確信する。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
神戸学院大学、松尾雅文、matsuo●kobe-u.ac.jp |
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