項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ヒト特異的RNA代謝異常とシナプス形態に基づく筋萎縮性側索硬化症の病態解明、治療法研究 | |
研究代表者名 | 横井聡 | |
研究代表者の所属機関名 | 名古屋大学医学部附属病院 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 筋萎縮性側索硬化症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究 | |
研究概要 | 【研究の背景】 筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic lateral sclerosis, ALS)は運動神経が変性する神経疾患で、根治的な治療方法は存在せず、国内では10,000例程度の患者が存在する。ALSは9割が孤発性とされ、遺伝的背景が不明であることから疾患の発症機序が解明されていない。 【目的】 我々はALSの原因RNA結合蛋白であるfuesd in sarcoma (FUS)が3’UTRでシナプス蛋白のSynGAP(Synaptic Ras GTPase activating protein 1)のisoform α2のmRNAを安定化し、シナプス成熟を制御することを明らかにした。その知見をヒトに応用すべく、日本のALSレジストリであるJapanese Consortium of Amyotrophic Lateral Sclerosis (JaCALS)から、SynGAP 3’UTRに新規変異のある患者5例を見出した。 本研究では、初年度でiPS細胞株(201B7)に遺伝子編集で新規変異を導入し、運動神経に分化させ、変異によるSynGAPのRNA代謝異常、シナプス形態異常を評価し、新規変異の病原性を明らかにし、新たな疾患モデルとして確立する。SynGAP変異によりFUSが過結合するという事前検討結果を基に、SynGAPのRNA代謝異常を同定する。次年度以降では同定したRNA代謝異常を是正する化合物をアンチセンスオリゴ(ASO)で開発する。また、FUS変異モデルも作成し、ASOが対象になる患者群の拡大を目指す。 【本研究課題終了時に期待される成果】 SynGAP遺伝子の新規変異の機能解析からALSにおける病原性を証明する新たなモデルを構築する。シナプス形態異常を伴うRNA代謝異常を是正するASOを開発し、当該変異を持つ患者に対する新たな治療薬候補を創出する。病態機序に即したASOが開発できれば、臨床治験に発展が可能である。さらにFUS変異でも同様のSynGAPの病態機序が解明されれば、さらに対象患者を拡大できると考えている。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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