項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 低悪性度てんかん原性腫瘍の分子遺伝学的診断ガイドラインに向けたエビデンス創出 | |
研究代表者名 | 岩崎真樹 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立精神・神経医療研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | てんかん | |
研究のフェーズ | エビデンス創出研究 | |
研究概要 | 対象は、薬剤抵抗性てんかんの原因となる低悪性度神経上皮性腫瘍(LEAT)である。LEATは脳腫瘍全体の2~5%を占めるに過ぎないが、外科治療の対象となる薬剤抵抗性てんかんの原因としては海馬硬化症に次いで多い。LEATは画像・病理の診断基準が明確でないため、誤診による過剰な治療や、不適切な治療の原因となっている。 本研究では、LEATの臨床病理学的・分子遺伝学的解析を包括的に行い、LEATをその他の腫瘍と明確に区別する診断基準の創出を目指す。国立精神・神経医療研究センターバイオバンクに登録・データベース化されたてんかん外科の切除標本を用い、約100例のLEATを対象に、遺伝子解析・病理コンセンサス診断・画像解析の3つのプロジェクトを進める。遺伝子解析では次世代シーケンサーなどを用い、既知の遺伝子変異に加えて、限局性皮質異形成のようにてんかん原性に強い関連があると考えられる代謝経路・シグナル伝達系の遺伝子変異に着目して解析する。病理診断においては、複数の神経病理専門医によるコンセンサス診断を取り入れ、遠隔コンサルテーションシステムを活用した診断基準の均霑化・標準化を図る。後方視的症例についても再診断を試み、遺伝子解析と連携して遺伝子コンパニオン診断法の確立も目指す。画像診断においても、病理学的・分子遺伝学的結果と照らし合わせながら視覚的画像評価における特異的な所見を見出し、診断基準の創出を目指す。また、定量的な画像解析や拡散尖度画像など先進的手法を加えることで、病理学的所見の背景となる異常を同定する。 本研究の成果として、診断基準が明確になることでLEATに対する適正な治療が行われるようになる。病理診断の結果から「浸潤性脳腫瘍」との区別が困難であった症例に対して,放射線化学療法など不要で過剰な治療が行われる危険性が減る。また、LEATに対する認知が増すことで、てんかんとしての評価と治療が行われるようになり、適正な治療の推進につながる。分子遺伝学的な背景が明らかになることで、てんかん原性の機序に対する新たな知見をもたらすと同時に、将来的な分子標的薬の開発につながる可能性がある。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;DNA;組織 | |
収集サンプル数 | 300 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 可 | |
外部からの使用申請への対応 | 可(利活用委員会で審査後に提供) | |
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
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