項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | ヒトiPS細胞を用いた線毛機能不全症候群の新規診断法の開発と精密医療への応用 | |
研究代表者名 | 後藤慎平 | |
研究代表者の所属機関名 | 京都大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 難治性呼吸器疾患 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;シーズ探索研究;疫学研究;バイオマーカー・診断薬の開発研究;横断的基盤構築研究 | |
研究概要 | 対象疾患:繊毛機能不全症候群 研究の目的: 線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)(原発性線毛機能不全症、以下PCD)は、線毛に関する遺伝子異常によって引き起こされる、小児慢性特定疾患の1つである。出生2万人に1人が罹患し、幼少期だけでなく成人後も粘液線毛クリアランスの機能低下によって肺炎を繰り返し、呼吸不全に進行して肺移植が必要となる場合もある。原因遺伝子は40以上と多く変異も多彩だが、ナンセンス変異を持つ症例が10%程度とされる。確定診断は線毛の構造や運動異常に基づくが、臨床現場では通常は実施困難とされる。治療薬は対症療法のみで効果は不十分である。病態解明にはマウスなどのモデル生物が用いられてきたが、ヒトとはゲノムが異なるため、ヒトiPS細胞を用いた疾患モデル開発が期待されている(Mianne J, et al, 2018)。本研究では① 診断に必要な機能的指標(線毛振動数・線毛の運動パターン・粘液線毛クリアランス)・分子マーカー(NO産生能や線毛関連分子マーカーの発現パターン)を探索し、② 線毛機能を修飾する薬剤や遺伝子治療の評価系を構築して、ナンセンス変異を持つPCDに効果の期待できるリードスルー化合物を探索する。 研究方法: 生体の肺組織から疾患モデルを構築する方法は未確立である。代表者は世界に先駆けて呼吸器上皮幹細胞に特異的な表面抗原Carboxipeptidase M (CPM)を同定し、分化効率の異なるiPS細胞でも、呼吸器幹細胞を選別してオルガノイドを形成することで、機能的に成熟した気道や肺胞上皮細胞を効率よく分化させる方法を開発した(Gotoh, 2014; Konishi, 2016; Yamamoto, 2017)。さらに、遺伝性間質性肺炎の疾患特異的iPS細胞においてゲノム編集による遺伝子修復と疾患モデルを開発し論文報告した(Korogi, 2019)。 期待される成果:本研究では根治的治療薬のなかったPCDについて、iPS細胞を用いた新規診断法の開発と層別化による治療の可能性が見出せる。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
京都大学 大学院医学研究科 呼吸器疾患創薬講座 後藤慎平 060kokyuki-shikkan●mail2.adm.kyoto-u.ac.jp |
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