項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 横断的オミクス解析を駆使した肺胞蛋白症の病態解明とインシリコ・リポジショニング創薬 | |
研究代表者名 | 岡田随象 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人大阪大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 肺胞蛋白症 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究;ゲノム・オミックス解析研究 | |
研究概要 | 肺胞蛋白症(PAP)は末梢気腔内にサーファクタント由来物質の異常貯留を来す呼吸器疾患である。QOLの低下を伴う重篤な臨床症状を示すが、未だ治療方法が確立していないため、新規治療薬開発と発症・層別化・病態予測バイオマーカー同定が必須である。近年、多彩なサンプル集団から得られたオミクス情報を情報解析で分野横断的に統合する横断的オミクス解析が疾患病態解明やゲノム創薬に貢献すると注目されている。 本提案は、提案者が先駆的に開発した横断的オミクス解析手法の大規模全ゲノムシークエンス(WGS)への適用を主軸に、肺胞蛋白症の個別化医療に貢献するコンパニオン診断薬開発およびドラッグ・リポジショニング候補治療薬同定と、本邦におけるゲノム創薬の躍進を実現する。概要は下記の通りである。 ①:WGSを駆使した肺胞蛋白症の大規模疾患ゲノム解析の実施 自己免疫性および先天性の肺胞蛋白症患者を対象にWGSを用いた大規模疾患ゲノムデータを構築し、対照群との比較により疾患発症に関わる感受性遺伝子多型の同定を行う(数百人規模で実施)。 ②:横断的オミクス解析による肺胞蛋白症疾患病態の鍵となる細胞種の同定 肺胞蛋白症の大規模ゲノムデータと多彩な細胞組織特異的エピゲノム情報を統合する横断的オミクス解析を実施し、肺胞蛋白症の病態解明および創薬シーズ探索の鍵となる細胞種類・代謝産物の同定を行う。 ③:肺胞蛋白症の発症および治療反応性に関わる遺伝子多型としてのコンパニオン診断薬の同定 臨床情報とゲノム情報の統合解析により、肺胞蛋白症の病態進展および臨床情報(抗GM-CSF抗体)、治療有効性に関連する遺伝子多型としてのコンパ二オン診断薬を同定する。強い関連を持つHLA遺伝子については、アミノ酸多型や非古典的HLA遺伝子も対象とした網羅的解析を実施する。 ④:ゲノム情報と創薬データベースの統合によるリポジショニング候補治療薬の同定 創薬データベース上の治療薬標的遺伝子情報と、肺胞蛋白症感受性遺伝子が構成するネットワーク解析を実施し、有望な新規ドラッグ・リポジショニング治療薬および創薬シーズを同定する。 研究代表者は独創的な遺伝統計解析手法の開発と実践を通じて、大規模疾患ゲノム解析、HLA遺伝子解析、横断的オミクス解析手法の先駆的開発、ゲノム創薬シーズ導出に顕著な業績を有し、本提案は国際的にも新規性が高いと考えられる。肺胞蛋白症のレポジトリ構築や診断ガイドラインに貢献を果たしてきた専門家が分担研究者として参画することで、臨床現場から最先端のオミクス情報解析までを網羅する万全の共同研究体制が整えられている。既に世界初のゲノムワイド関連解析が先行しているなど、速やかな研究計画遂行とバイオマーカーおよびコンパニオン診断薬の同定、創薬シーズの導出が期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
大阪大学院医学系研究科、岡田 随象、office●sg.med.osaka-u.ac.jp |
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