項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 先天性大脳白質形成不全症の臨床的基盤を明らかにするための研究 | |
研究代表者名 | 井上健 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立精神・神経医療研究センター | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 先天性大脳白質形成不全症 | |
研究のフェーズ | エビデンス | |
研究概要 | 先天性大脳白質形成不全症は、乳児期より生涯に渡って重篤な運動発達障害を呈する小児の難治性遺伝性疾患で、これまでPelizaeus-Merzbacher病(PMD)など11疾患が知られている。これらの疾患は髄鞘形成不全という病態と乳児期発症の重度運動発達障害を呈する点で多くの共通点を有するが、患者登録システムが未確立、臨床評価尺度の標準化がされていない、疾患の自然歴が不明、患者の30%で確定診断ができない、患者家族の孤立などの臨床的な問題点(CQ)が存在する。そこで本申請では、本疾患における臨床的な基盤を整備し、臨床の質を向上させるとともに、新規治療法を速やかに臨床応用するための基盤を整備するために下記の研究を行なう。 1) 脳画像登録システムを活用した先天性大脳白質形成不全症のレジストリの構築 本疾患の診断のキーとなるMRI画像データをウェブベースで収集管理できるシステムIBISSを用いて先天性大脳白質形成不全症の患者レジストリを構築し、患者登録を進める。平成30年度は臨床情報の実装完成と患者登録の推進を行なう。 2) 臨床評価尺度の有効性の評価による重症度評価と自然歴に関するデータの構築 本疾患の臨床経過や重症度を定量的に数値化するための臨床評価尺度の有効性を検討し、レジストリ登録患者の経時的評価を行なうことで本疾患の自然歴を明らかにする。平成30年度は臨床評価尺度を用いた縦断的臨床情報の収集を進める。 3) 診断困難症例に対するコンサルテーション体制の整備 全国の臨床医から診断が困難な先天性大脳白質形成不全症の症例の関するコンサルテーションを受付け、複数の班員間で協議をして鑑別診断や遺伝子解析に関する情報を提供する。平成30年度は診断困難症例10症例の検討データを蓄積する。 4) 未診断症例の遺伝学的診断を進めるための解析パスの整備 未診断症例の遺伝学的診断を進めるために既知遺伝子解析、網羅的遺伝子解析を組み合わせた遺伝学的解析のパスを明らかにし、本疾患の遺伝学的診断の向上を目指す。平成30年度は構築した遺伝子解析パスを用いた遺伝学的解析を進める。 5) 市民公開セミナーを通じた患者家族との双方向性の情報共有 患者家族や支援者を対象とした市民公開セミナーを開催し、医療や研究などに関する情報提供を行なうとともに、患者家族会を支援し、双方向性の親密は情報共有体制を確立する。平成30年度は2回のセミナーを実施する。 これらの横断的な臨床研究基盤を構築することにより、本疾患に関する臨床、画像、遺伝学的所見の詳細を明らかにし、疾患の自然歴、患者の把握と連携、双方向性の情報共有体制を確立することが可能となり、将来の新規治療法の臨床試験を速やかに実施し、その評価ができる体制の構築が期待される。 | |
レジストリ情報 | ||
対象疾患/指定難病告示番号 | 先天性大脳白質形成不全症 | |
目標症例数 | 50 | |
登録済み症例数 | 8 | |
研究実施期間 | 2017年4月~2020年3月 | |
レジストリ名 | ||
レジストリの目的 | 自然歴調査;MRI画像 | |
調査項目 | MRI, 臨床症状、年齢性別など | |
第三者機関からの二次利用申請可否 | 不可 | |
二次利用申請を受けた場合の対応方法 | ||
レジストリURL | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
なし | ||
検査受け入れ情報 | ||
1 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 先天性大脳白質形成不全症(ペリツェウス・メルツバッハ病) |
検査方法 | 遺伝子解析 | |
検査実施場所 | 医療機関内;研究室内 | |
保険収載の有無 | あり | |
検査実施費用の確保方法 | 保険診療の費用 | |
検体検査結果の利用内容 | 診断;遺伝カウンセリング | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施;改正医療法に則って実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 研究班で受け入れ可能 | |
相談方法 | 研究代表者 井上健 kinoue●ncnp.go.jpにメール、http://plaza.umin.ac.jp/~pmd/index.html | |
2 | 検査内容/対象疾患名(あるいは領域名)/指定難病告示番号 | 先天性大脳白質形成不全症(その他の先天性大脳白質形成不全症) |
検査方法 | 遺伝子解析 | |
検査実施場所 | 研究室内 | |
保険収載の有無 | なし | |
検査実施費用の確保方法 | 研究費(AMED);研究費(文部科学省の科学研究費) | |
検体検査結果の利用内容 | 診断;遺伝カウンセリング | |
検体検査の品質・精度管理 | 研究として実施 | |
検査または検査結果に関する相談の受け入れ可否 | 研究班で受け入れ可能 | |
相談方法 | 研究代表者 井上健 kinoue●ncnp.go.jpにメール、http://plaza.umin.ac.jp/~pmd/index.html | |
担当者連絡先 | ||
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第二部 井上健 kinoue●ncnp.go.jp |
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