項目 | 内容 | |
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事業名 | 難治性疾患実用化研究事業 | |
研究課題名 | 原発性硬化性胆管炎の病因自己抗原の同定 | |
研究代表者名 | 塩川雅広 | |
研究代表者の所属機関名 | 国立大学法人京都大学 | |
研究対象疾患名(または疾患領域) | 原発性硬化性胆管炎 | |
研究のフェーズ | 病態解明研究 | |
研究概要 | 原発性硬化性胆管炎primary sclerosing cholangitis (PSC)は胆管に狭窄をきたす原因不明の疾患であり(右図)、国の難病に指定されている。国内罹患患者数は1200人の希少疾患である。問題点として、特異的な診断・治療法がなく、肝硬変から死に至る。自己免疫学機序による胆管上皮障害の関与が示唆されているが、その病因は未だ不明であり病態解明が切望されている。 申請者らはこれまで、難病である自己免疫性膵炎の病因自己抗原を独自の自己抗体のスクリーニング手法で同定した(Shiokawa et al. Sci Transl Med. 2018)。今回同様の方法で、PSC患者の血清中に極めて特異的な抗X自己抗体(感度100%、特異度94%)が存在していることを見出した(右図)。また胆管上皮にタンパク質Xが発現していることも確認した。高い感度・特異度と、タンパク質Xの発現場所が障害部位に一致することから、タンパク質XはPSCの発症に深く関与する自己抗原の可能性がある。 そこで本研究では、病態解明を目指して、①抗X自己抗体に関する前向き試験、②PSC患者胆管におけるタンパク質XとIgGの結合の確認、③タンパク質Xのマウスへの免疫による胆管病変誘導の検証、および④抗X自己抗体の機能解析を行う。 世界中の研究者がPSCの病態解明を目指すなか、病因は不明のままである。本申請は、特異的抗X自己抗体を発見したことによる独創性と先進性に加え、臨床応用への発展性が高い研究と思われる。 研究計画 ① PSCにおける抗X自己抗体に関する前向き試験 PSC班会議と共同で症例数を増やして感度・特異度を検証する。また、医学生物学研究所と診断キットの開発前検討を行う。 ② PSC患者胆管における自己抗原XとIgGの結合の確認 PSC患者胆管にて、患者IgGが自己抗原Xと結合しているか、免疫染色にて確認する。 ③ タンパク質Xのマウスへの免疫による胆管病変誘導の検証 マウスをタンパク質Xで免疫し、自己抗原XがPSCの病因病態に関与しているかを検証する。本モデルマウスは、PSC病態研究の強力なツールとなる。 ④ 抗X自己抗体の機能解析 抗X自己抗体がタンパク質Xとその結合タンパク(Y)の結合に対して、阻害作用があるか否かを検証する。阻害作用が明らかになれば(右図)、PSCの病態の解明につながるのみならず、特異的な新薬の開発が可能となる | |
レジストリ情報 | ||
なし | ||
バイオレポジトリ情報 | ||
生体試料の種類 | 血漿・血清;組織 | |
収集サンプル数 | 30例 | |
外部バンクへの寄託 | ||
外部からの使用申請の受け入れ可否 | 不可 | |
外部からの使用申請への対応 | ||
検査受け入れ情報 | ||
なし | ||
担当者連絡先 | ||
国立大学法人京都大学 塩川 雅広 |
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